「久しぶり。きれいになったね、茜ちゃん」
あまりにもすらすらと、そんなお手本のようなせりふを聞かされたものだから、思わず言葉を失った。
いや厳密にはその言葉がきっかけなのではなく、その姿を見つけた瞬間、名前を呼びかけた声を飲み込むほどに。
…一瞬で気づいた。
(ああ、好きだ。このひとが)
アメリカにいたころは、なんの気兼ねもなく手紙を何通も送った。
返事が来ようが来まいがお構い無しに、近況を綴ってはポストに投げ込んでいた。
頼れる、ちょっと心配な、でもなにより一生懸命で優しい、おにいさん。
「あたしの知ってるなるほどさんて、そんなきざな冗談言わなかったのにな」
「あはは、久しぶりの再会なのにゴアイサツだね」
大きく口を開けて笑う。
なぜだろう、少しうそくさい。
ひとしきり笑ってから、でも、と彼は続ける。
かつて良く見た笑顔で。
「いまの証言にうそはないよ」
ああ、もう。
唇を必死に噛み締め、無性に泣き出したいのと、その胸に飛び込みたいのを、必死に堪える。
もうこのひとを、男としてしか見れない。
あまりにもすらすらと、そんなお手本のようなせりふを聞かされたものだから、思わず言葉を失った。
いや厳密にはその言葉がきっかけなのではなく、その姿を見つけた瞬間、名前を呼びかけた声を飲み込むほどに。
…一瞬で気づいた。
(ああ、好きだ。このひとが)
アメリカにいたころは、なんの気兼ねもなく手紙を何通も送った。
返事が来ようが来まいがお構い無しに、近況を綴ってはポストに投げ込んでいた。
頼れる、ちょっと心配な、でもなにより一生懸命で優しい、おにいさん。
「あたしの知ってるなるほどさんて、そんなきざな冗談言わなかったのにな」
「あはは、久しぶりの再会なのにゴアイサツだね」
大きく口を開けて笑う。
なぜだろう、少しうそくさい。
ひとしきり笑ってから、でも、と彼は続ける。
かつて良く見た笑顔で。
「いまの証言にうそはないよ」
ああ、もう。
唇を必死に噛み締め、無性に泣き出したいのと、その胸に飛び込みたいのを、必死に堪える。
もうこのひとを、男としてしか見れない。
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